市場心理2026-09-26T04:12:00+09:00

日本不動産市場の投資家心理――取得意欲は継続、価格と利回りへの警戒が強まる

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投資需要は維持されている

2026年9月26日時点で確認できる不動産市場の投資家心理は、取引活動の継続と価格への慎重姿勢が併存する状態にある。CBREによると、第1四半期の日本の事業用不動産投資額は2兆430億円で、前年同期比2%増加した。第2四半期も1兆1,210億円と前年同期比17%増加している。海外投資家による大型取得や国内投資家の積極的な取引が、市場を支えてきた。

取引量と将来見通しの間に温度差

投資額の増加は市場参加者の取得意欲を示す一方、将来の価格上昇を保証するものではない。CBREの第2四半期調査では、東京のプライムオフィスとホテルの期待NOI利回りが過去最低を更新した。しかし、2027年末までに期待利回りが上昇すると予想する回答者の割合は、2025年6月の前回調査から増加している。足元では希少な優良物件に資金が集まりながら、将来の金利上昇と評価調整を警戒する投資家が増えていると解釈できる。

用途別の投資心理は一様ではない

第2四半期にはオフィスと物流施設の投資額が前年同期比で2桁増加した一方、住宅、商業施設、ホテルの投資額は減少した。ホテルの期待利回りが低下していても、同じ四半期のホテル投資額が増加するとは限らない。取引対象の供給量、大型案件の有無、売主と買主の価格目線が異なるためである。市場心理を評価する際には、取引額と期待利回りを別々の指標として確認する必要がある。

海外投資家の判断材料

海外投資家にとって円安は取得機会を広げる要因となり得るが、国内金利の上昇は資産評価に反対方向の圧力を与える。日本銀行が9月に追加利上げを行ったことで、資金調達費用と不動産収益の関係は一段と重要になった。現金購入の投資家も、将来の買主が借入を利用する可能性を考慮する必要がある。出口時の市場価格は、その時点の買主の資金調達能力に影響されるためである。

市場心理の変化を測る方法

投資家心理を把握するには、取引額だけでなく、実際の賃料改定、空室率、売却希望価格と成約価格の差、物件の販売期間、J-REITの取得・売却動向を確認することが重要となる。期待利回りの上昇が収益改善を伴わずに進む場合、価格調整の可能性が高まる。一方、賃料収入が持続的に増加する物件では、金利上昇の影響を一定程度吸収できる。

今後の焦点

市場全体を単一の強気・弱気で分類するよりも、都心と地方、オフィスと住宅、築浅と老朽化物件の違いを把握することが重要である。投資家の取得意欲が続く中でも、価格に対する許容度は物件ごとに変化している。今後は投資額の増減より、収益成長を伴う取引がどの程度維持されるかが市場心理を判断する重要な材料となる。

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