海外投資家視点2026-09-26T04:12:00+09:00

中国投資家から見た日本不動産:国内住宅市場の調整と人民元高が変える資産分散

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中国の住宅市場は新築と中古で異なる動き

中国国家統計局が2026年9月15日に公表した1〜8月の不動産統計では、開発投資が前年同期比19.9%減少した。新築商品房販売面積は12.1%減、販売額は13.0%減となった。不動産開発企業の調達資金も21.0%減少しており、開発事業の資金循環には引き続き圧力がかかっている。

一方、同期間の中古住宅オンライン契約面積は10.6%増加した。この違いは、中国の住宅市場を単純に需要減少だけで説明できないことを示す。新築住宅の購入を控える動きと、価格調整が進んだ中古住宅を選ぶ動きが併存している可能性がある。

中国の資産保有者が日本を見る理由

中国国内の不動産市場が調整する局面では、資産を単一の国や通貨に集中させるリスクが意識されやすい。日本不動産は円建て資産であり、賃貸物件であれば円建ての継続的な収入を得られる。この性質は人民元建て資産とは異なる。

ただし、中国国内の不動産価格が下落していることだけで、日本不動産の購入が有利になるわけではない。国内物件を売却できなければ海外投資のための資金を確保できず、日本側の取得価格が上昇すれば期待利回りも変化する。資産分散の必要性と実際の投資実行能力は別の問題である。

人民元高と東京の取得価格

9月21日には人民元が対ドルで約3年半ぶりの高値圏に上昇した。人民元が円に対しても上昇すれば、日本不動産を取得するために必要な人民元は減少する。ただし、人民元・ドルとドル・円の双方が変動するため、対ドル人民元高だけで対円購買力の改善を断定することはできない。

日本の国土交通省による2026年地価調査では、東京圏の住宅地が前年比4.0%、商業地が8.9%上昇した。中国投資家にとっては、為替面で取得条件が改善しても、日本側の不動産価格上昇がその利益を相殺する可能性がある。

中国投資家の実務上の制約

中国本土から日本不動産を購入する場合、資金移動の適法性を確認することが不可欠となる。個人の外貨購入枠と海外不動産投資のための送金許可は同じではない。中国側の外貨管理、送金金融機関の確認、日本側の受取金融機関による資金原資確認をそれぞれ検討する必要がある。

また、日本で不動産を購入する際には、所有名義、取得税、固定資産税、賃貸管理、将来の売却手続なども事前に確認する必要がある。中国居住者の場合、日本国内の居住者とは異なる税務・登記上の手続が必要となる場合があるため、物件の利回りだけで投資判断を完結させることはできない。

今後の投資判断

今後は中国の住宅販売、中古住宅取引、人民元・円相場、東京の物件価格と賃料、日本銀行の金融政策を継続して確認したい。中国国内の資産価格調整は海外分散への関心を高める可能性があるが、投資家の資金余力を同時に低下させる可能性もある。

日本不動産を中国投資家の資産分散先として評価する際には、国内資産の売却可能性、適法に送金できる資金、円建て純収益、将来の人民元換算売却価値を一体で検証することが重要となる。

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