不動産市場2026-09-11T16:08:00+09:00

東京不動産は「価格上昇」と「金利上昇」が正面衝突―賃料成長が選別軸に

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東京の需給は依然として強い

東京不動産市場では、価格を支える実需と金利上昇という二つの力が同時に働いている。CBREによると2026年第2四半期の東京オフィス・オールグレード空室率は1.4%で、前期から0.1ポイント低下した。主要5区では1.0%、グレードAでは0.6%まで低下している。空室が限られるなか、オフィスのグレードアップや拡張移転、館内増床などの需要が続き、オールグレードの想定成約賃料は坪2万4,930円と前年同期比11.7%上昇した。グレードAは坪4万5,100円で同17.3%上昇している。

住宅では供給制約が価格を押し上げる

住宅市場でも高価格が続く。2026年上期の首都圏新築マンション平均価格は1億135万円となり、上期として初めて1億円を超えた。東京23区は平均1億4,249万円で前年同期比9.1%上昇した。一方、首都圏の供給戸数は7,989戸と前年同期比0.8%減少した。土地取得費、建築資材、人件費の上昇に加え、都心部の供給可能用地が限られることが価格を支えている。このため金利が上昇しても、新築価格が直ちに大幅下落する構造にはなっていない。

ただし金融環境は明確に変わった

最大の転換点は日銀である。政策金利は既に1.00%まで上昇し、9月会合では1.25%への追加利上げ観測が強まっている。不動産投資では借入金利の上昇がレバレッジ後のキャッシュフローを直接圧迫し、投資家が要求する利回りにも上昇圧力をかける。これまでの東京市場では低金利と豊富な流動性が価格上昇を支えたが、今後は同じ物件価格でも金融コストが高くなる。

賃料成長力が価格防衛力になる

ここで重要なのが賃料である。金利が上がってもNOIが同程度以上に成長すれば、資産価値への悪影響を相殺できる。現在の東京オフィス市場は低空室率と二桁の賃料上昇が確認されており、この点では金利上昇への耐性がある。一方、賃料を上げにくい住宅、地方物件、競争力の低い築古オフィスでは、金利上昇だけが先行する可能性がある。市場全体を一括して強気・弱気と判断するより、賃料改定能力、テナント需要、借入条件を物件ごとに見る必要がある。

海外投資家の戦略

海外投資家にとっては為替も加わる。円建て価格が上昇していても外貨ベースでは為替次第で取得負担が異なる。一方、円高へ転じれば保有資産の外貨換算価値は上昇する。今後の東京市場では、単純な値上がり期待より、低空室、高い賃料改定余地、優良立地、長期的な出口流動性を備える資産が相対的に有利になる。金利正常化は東京不動産の上昇相場を直ちに終わらせるものではないが、物件間の価格差を拡大させる要因になるだろう。

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