4月から非居住者の不動産取得報告を拡大
2026年4月1日、外国為替及び外国貿易法に基づく非居住者の国内不動産取得報告制度が改正された。財務省によれば、非居住者が日本国内の不動産またはこれに関する権利を取得した場合、対象となる取引について取得後20日以内に日本銀行を経由して財務大臣へ報告する必要がある。2026年改正では、従来報告対象外だった取引の一部が追加され、政府が海外からの不動産取得をより広く把握できる仕組みとなった。
重要なのは「取得禁止」と混同しないこと
この制度は、一般の非居住者による日本不動産取得を一律に禁止したものではない。一定の本人・親族等の居住用、非営利業務用、本人の事務所用など報告不要となるケースも存在する。一方、投資用マンション、収益ビル、セカンドハウスなどでは用途や取得形態を確認し、報告要否を判断する必要がある。海外投資家にとっては売買契約、決済、登記だけで取引実務が完結しないケースが増えた。
次の焦点は土地取得ルールそのもの
内閣官房では2026年3月から「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」を開催し、4月、7月にも議論を継続している。検討対象には、外国人だけを対象とするのか、日本人を含む制度とするのか、許可制や審査付き事前届出制を採用するのか、どの土地を対象とするのかといった論点が含まれる。したがって現段階では具体的な将来規制を確定事項として投資判断に使用すべきではないが、制度リスクが従来より明確に高まっていることは無視できない。
海外投資家はコンプライアンスを出口まで管理する必要
制度変更の影響は取得時だけではない。将来、特定地域や特定用途について審査・届出が強化されれば、買い手層や取引期間に影響し、流動性プレミアムが変化する可能性がある。特に大型土地、開発用地、戦略的施設周辺などは、物件収益だけでなく政策リスクを含めたデューデリジェンスが必要になる。2026年の日本市場では「外国人でも買えるか」という二択ではなく、誰が、何を、どの用途で取得し、どの報告・審査が必要で、将来誰に売却できるかまで確認することが投資判断の一部になっている。