市場心理2026-09-07T16:26:00+09:00

東京不動産の投資家心理は強気を維持、ただし市場は「何でも買う」段階から選別へ

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JCBO INDEX57
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東京は7年連続でアジア太平洋のクロスボーダー投資先首位

CBREの2026年アジア太平洋投資家意向調査では、東京が7年連続でクロスボーダー不動産投資家の最も選好する都市となった。シドニーが2位、シンガポールとソウルが同率3位で、東京の優位は続いている。背景には、海外主要都市と比較してなお投資採算を確保しやすい借入コスト、安定したキャッシュフロー、さらにオフィスを中心とする賃料成長への期待がある。市場規模と流動性の大きさも、大型資金を運用する海外機関投資家にとって重要な魅力である。

実際の価格指標にも強気心理が表れている

投資家心理はアンケートだけでなく、投資家が受け入れる期待利回りにも表れている。2026年Q2、東京・大手町のプライムオフィス期待NOI利回りは前期比5bp低下して3.10%、東京5区ホテルは5bp低下して4.15%となり、ともに過去最低を更新した。物流施設も3.65%へ低下した。日本の金利が上昇する中で不動産利回りがさらに低下していることは、優良物件の供給不足と取得競争の強さを示す。

ただし投資家は将来まで同じ価格を想定していない

現在の強気心理と、将来の見通しは分けて考える必要がある。CBREのQ2調査では、2027年末までに期待利回りが上昇すると予想する回答者の割合が2025年6月調査から拡大した。つまり投資家は足元の東京不動産を積極的に評価しながらも、日銀の追加利上げ、長期金利上昇、借入コスト上昇が将来のキャップレートを押し上げる可能性を織り込み始めている。現在の価格をそのまま数年後の出口価格として置くことは危険である。

強気相場の中身は「全面高」ではなく選別

東京が世界的に人気の投資先であることと、東京のすべての不動産が割安であることは同義ではない。特に取得時のNOI利回りが低い資産ほど、総合収益は保有期間中の賃料上昇と出口価格に依存する。そのため、賃料改定余地の大きいオフィス、需要が強いホテル、稼働と賃料を改善できる物流・住宅などと、収益改善余地が乏しい資産との評価差は拡大しやすい。海外投資家は「東京だから買う」のではなく、東京の中で何が買われ続けるかを見る必要がある。

センチメント反転を読む5つの指標

今後はプライム資産の期待利回り、実際の売買価格、オフィス・ホテル・住宅等の賃料成長、J-REITのNAVに対する評価、日本の長期金利を継続的に確認する必要がある。賃料とNOIが金利上昇を上回れば現在の強気心理は維持されやすいが、金利だけが先に上昇すれば価格調整への警戒は急速に強まる。2026年9月時点の東京市場は依然として強気だが、それは無条件の強気ではなく、明確な収益成長と複数の出口を持つ資産へ集中する「選別型強気相場」と評価するのが妥当である。

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