不動産市場2026-09-07T16:25:00+09:00

日本不動産は金利上昇下でも投資額拡大――東京では賃料成長がキャップレート低下を支える

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金利上昇でも日本不動産への資金流入は止まっていない

日本銀行が政策正常化を進めるなかでも、日本の事業用不動産市場は高い流動性を維持している。CBREによると、2026年第2四半期の事業用不動産投資額は前年同期比17%増の1兆1,210億円となり、第2四半期として金融危機後初めて1兆円を上回った。大型案件に加え、オフィスや物流施設への国内投資家の取得が投資額を押し上げた。

東京オフィスは賃料成長が価格を支える

価格の背景には実需の改善がある。CBREの東京オフィス調査では、2026年第2四半期のオールグレード空室率は前期比0.1ポイント低下して1.4%となった。企業の拡張移転、グレードアップ移転、館内増床などが需要を支え、空室の希少化によって賃料は全グレードで上昇した。Grade Aは前期比4.3%、Grade A-は4.7%上昇しており、金利上昇による価格下押しを賃料成長が吸収する構造が一部の優良資産で形成されている。

キャップレートは過去最低、ここからは選別が重要

CBREの2026年6月調査では、東京・大手町のプライムオフィス期待NOI利回りは前期比5ベーシスポイント低下して3.10%となり過去最低を更新した。東京5区のホテルも4.15%へ低下し過去最低となった。これは投資需要と賃料成長期待の強さを示す一方、政策金利が1.0%まで上昇した現在、投資家が受け取る不動産利回りと金融市場の金利との差は以前より縮小している。

海外投資家にとっての意味

海外投資家にとって日本市場の魅力は、単純な高利回り市場ではなくなりつつある。東京中心部の優良資産ではキャップレートが低いため、投資収益を確保するには賃料上昇、稼働率改善、改修、用途変更などNOIを伸ばせる要素が重要になる。一方、円は依然として長期的には弱い水準にあり、外貨ベースでは取得価格に一定の割安感が残る。為替と賃料成長を組み合わせれば、低い初期利回りだけでは把握できない投資機会が存在する。

最大のリスクは金利と価格の時間差

注意すべきなのは、金融市場の金利上昇が不動産価格に遅れて波及する可能性である。CBRE調査でも2027年末までに期待利回りが上昇するとみる回答が増えている。キャップレートが上昇すれば、NOIが変わらなくても理論上の資産価格には下落圧力がかかる。したがって今後は「東京だから上がる」ではなく、供給制約、駅距離、築年、テナント需要、賃料改定余地、借入条件、出口流動性まで確認する必要がある。2026年後半の日本不動産市場は、取引量の強さと金利上昇リスクが同居する選別相場である。

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