政策・制度2026-09-07T16:26:00+09:00

非居住者の日本不動産取得は20日以内報告が新実務、外為法改正後の重要ポイント

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4月1日から非居住者の不動産取得後報告制度が施行

財務省によると、2026年4月1日から外国為替及び外国貿易法に基づき、非居住者が日本国内の不動産またはこれに関する権利を取得する取引について、新しい取得後報告制度が施行されている。報告対象となる場合、取得後20日以内に財務大臣宛ての報告を日本銀行を経由して提出する。報告書は日本語で作成する必要があり、取得者本人のほか、日本に居住する代理人が提出することもできる。日本銀行は2026年4月1日付で様式22「本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得に関する報告書」を掲載している。

重要なのは「すべての非居住者取引が報告対象」ではないこと

制度を正確に理解するには例外も確認する必要がある。財務省FAQが示す省令上の報告不要ケースには、非居住者が自己、親族、従業員等の居住用として取得する場合、日本で非営利活動を行う非居住者がその事業用として取得する場合、自らの事務所として使用するため取得する場合などが含まれる。したがって「海外居住者が日本の不動産を買えば例外なく20日以内に報告」という説明も、「外国人の購入が規制された」という説明も正確ではない。具体的な取得目的と法令上の区分を確認する必要がある。

投資用不動産ではクロージング後まで案件管理が必要

海外投資家による日本不動産購入では、売買契約、本人確認、海外送金、所有権移転登記、税務、物件管理など複数の手続きが以前から存在する。今回の制度によって、投資目的の取得など報告対象となる案件では、決済と登記を終えた時点で案件を完了扱いにせず、取得日を起点とした20日以内の報告まで管理する必要が生じた。特に日本語を日常的に使用しない海外投資家の場合、誰が適用判定を行い、誰が報告書を作成・提出するのかを決済前に明確にしておくことが実務上重要になる。

市場への直接影響は小さいがコンプライアンス品質の差は広がる

この制度は一般的な外国人不動産取得を許可制に変更したものではないため、東京の賃料や不動産価格を直接左右する政策とは性格が異なる。しかし、海外投資家を扱う仲介会社、資産管理会社、専門家には、購入前から取得後までの手続きを正確に管理する能力が求められる。中国、香港、シンガポールなどから日本不動産へ投資する場合も、まず外為法上の居住者・非居住者の区分と取得目的を確認し、報告対象であればクロージングチェックリストへ組み込むべきである。

今後は公式制度と政治的議論を分けて確認する

国土交通省は2026年7月21日から2026年土地保有・動態調査を実施しており、土地取引や保有状況の把握は政策上引き続き重視されている。外国人の不動産取得を巡る社会的・政治的議論が強まる局面では、報道やSNS上の表現だけで投資判断を行うべきではない。海外投資家にとって重要なのは、施行済み法令、財務省・日本銀行・国土交通省などの公式資料、適用除外、期限を一つずつ確認することである。今後も外為法、安全保障、土地利用に関する制度変更を継続的に監視する必要がある。

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